二期会のソプラノ木下美穂子さんが名曲アルバムにて
プッチーニ作曲の歌劇“蝶々夫人”から“ある晴れた日に”を歌います。
彼女がレパートリーで得意とするこの曲をどのように歌い上げるのか
そんなことに思いを巡らせているうちに、
彼女の経歴や評判が気になって色々調べてみました。
彼女のファンのみならず、気になることと思います。
木下美穂子さんのプロフィール
福井に続き、木下美穂子からのメッセージです。今年1月に完全帰国をした木下のプライベートな様子、お楽しみください♪(K)
【木下美穂子】二期会アーティストからのメッセージ#2【希望よ、来たれ!】 https://t.co/cGx0PJNnMN @YouTubeより pic.twitter.com/n5X1jczZ6D
— 二期会21 (@nikikai21) July 7, 2020
1971年生まれ 鹿児島県出身
中学生から声楽を始め、大学に入ってからプロのオペラ歌手を目指します。
コンクールで賞を取り、留学したイタリア・ローマで6年暮らしました。
最初の数年はレッスンづけの日々を送ります。
有名ソプラノ歌手(ミレッラ・フレー二)のレッスンに電車で5〜6時間かけて
通ったことも現在の高い歌唱力を支える原動力ととなっていることでしょう。
大分県立芸術短期大学と武蔵野音楽大学卒業。
同大大学院、及び二期会オペラスタジオ修了
日本音楽コンクール、日伊声楽コンコルソ、イタリア声楽コンコルソを同じ年に制覇。国内三大声楽コンクール三冠王獲得。
ヴェルディ国際コンクール第2位、
サンタ・マルゲリータ国際声楽コンクールと
アルバネーゼ・プッチーニコンクール第1位等受賞歴多数。
デビューは小澤征爾指揮『ドン・ジョバンニ』ドンナ・エルヴィーラ
二期会オペラ『蝶々夫人』、『ボエーム』、『椿姫』、『仮面舞踏会』に出演。
二期会会員、ヒューストン在住。
2020年の春に日本に帰国したそうです。
木下美穂子さんの声種であるソプラノリリコは、オペラの役に多い音域で
とてもロマンティックで “おいしい役” どころの声です。
男性のテノールのリリコにも言えることですが
主役に多い音域ですが激戦区でもありますので、
非常に激しい音域でもあるそうです。
ヴェルディのアイーダもレパートリーに入っているくらいですから、
強靭な声帯でドラマチックな表現も得意ですね。
私はこのベートベンの「フィデリオ」の歌い方がとても素敵だと思います。
番組ではプッチーニの蝶々夫人をレガートに優雅に歌い上げるお姿が
とても印象的でしたが、
フィデリオではベートーベン特有の休符を意識した歌い方で
まるで彫刻のような造形の深い歌い方となっています。
音楽の中で休符の役割がいかに大切か思い知らされます。
動画では、夫婦愛のオペラ『フィデリオ』からレオノーレ役ソプラノ木下美穂子
さんがオーケストラをバックにソロで歌い上げています。
もともとは貴族の結婚式の催しものとして、
サロンに集まっていた詩人や画家や音楽家など芸術家たちが
「みんなでなんかやって」と、「無茶ぶり」をされたところか生まれた、
総合芸術であるオペラ。
オペラはその起源から「結婚」と縁があるのもうなずけます。
その中でもフィデリオは
純愛物語で最後は2人は結ばれるという、結婚をテーマにしたオペラでは
ハッピーエンドで終わる事のできる数少ない作品の一つ。
ヴェルディのアイーダのように主役のラダメスと一緒に最後は墓に生きたまま
入れられて幕が降りるオペラとは対照的ですが、そんな役どころの違いも
うまく表現してくれる彼女には本当に感動します。
見ていて飽きないですよね!
今後の木下美穂子さんの活躍が楽しみです。